聖地巡礼の魅力をまとめてみる
皆さま、聖地巡礼してますか?
googleで「聖地巡礼」と調べると、goo辞書さんにこんな説明をされました。
「俗に、熱心なファンが、アニメ・漫画の舞台となった土地や建物などを聖地と称して訪れること。」
要するに「ラブライブ!」シリーズの熱心なファンである自分にとっての聖地は、アニメの舞台となった秋葉原、沼津、お台場、原宿など…な訳です。
中でも『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』の聖地・お台場には見事なまでにハマりまして、今年に入ってから9ヶ月間、合計で巡礼したのか数えてみたところ...
通算18回
も行っていたことが判明しました。
ざっくり月2回のペースで通ってますね…。
また、高校生の頃にハマった『ラブライブ!』(俗に言う無印)では、秋葉原に加え、
・東京駅(1期10話 合宿出発前)
・東京大学周辺(真姫 通学路)
・浅草(2期11話)
・関西国際空港(5th シングル曲 “Wonderful Rush” PV)
・沖縄(2期5話 2年生修学旅行)
など、数え始めるとキリがない国内各所の聖地に訪れ、
極め付けは大学生の頃に劇場版の舞台となったニューヨークにまで足を運んでしまうほどでした。
もちろん、『ラブライブ!サンシャイン!!』聖地・沼津にはTwitterで知り合った友人らと旅行に行ったり、
最近では『ラブライブ!スーパースター!!』聖地・原宿にもよく遊びに行ったりするなど、、
私は聖地巡礼を満喫しているタイプのオタクと言っても過言ではないなと自負しています。
そこで考えました。
なぜ自分はここまで聖地巡礼に夢中になれるのだろうと…。
ということで今回は、
私にとっての聖地巡礼の魅力とは
を綴っていこうかなと思います。
この記事を通して、まずは自分が楽しめている理由を言語化して整理したいなと。
そしてそれらを改めて認識することで今後の聖地巡礼をより楽しみたいなと。
更にもし、この記事を読んでいただいたあなたに、
「確かに聖地巡礼ってそういう良さがあるよなぁ」と共感いただけたり、
「他にもこういう面白さもあるよね」と私に共有していただけたり、
「言われてみれば!気付かなかったなぁ」と新しく発見していただけたりすると、
何だか嬉しい気持ちになれそうです。それこそこの記事をきっかけに僕も私も聖地巡礼してみたい、
なんて思ってくださる方が居らっしゃれば、それはもう感無量ってやつです。
では早速、私が思う聖地巡礼の魅力を3つのテーマに渡って紹介していきます。
1.2.5次元の世界に飛び込める
これはアニメ・漫画の聖地巡礼、特有の感覚ではないでしょうか。
ここで比較対象として「ロケ地巡り」を例に挙げてみます。
元々、ドラマや映画の撮影地となった舞台へ訪れるロケ地巡りもよく聞く言葉ですよね。
ただ、個人的に聖地巡礼とロケ地巡りは感覚的に少しだけ違う気がするんです。
ロケ地はこの世に存在する、実在の女優・俳優が、ドラマや映画に出演した場所ですが、
聖地はこの世に存在しない、非実在のキャラクターが、アニメや漫画に登場した場所な訳です。
もちろん、ロケ地に行くことで「ドラマとか映画で見たとこじゃん!あの女優・俳優もここに来てたのか…!」ってテンション上がる気持ちもよく分かります。私もたまにしますしね。
でも、聖地に行くことで「アニメとか漫画で見たとこじゃん!」ってテンション上がったあとは、非実在のキャラクターがその場に居たような、でもアニメだから存在はしないような、でもまるで今もそこにいるような、、
そんな実在と非実在の境目に居られる、まさに2.5次元の感覚になれる気がするんです。
この、3次元(実在)と2.5次元(実在/非実在)の違いが私にとって大きな差であり、魅力の一つかなぁなんて思いました。
とはいえ、実在するラブライブ!の声優さんが訪れた場所を聖地と題して、ファンが巡礼するような光景も目にして自分もしたりして、楽しめてるので… まあ要するにラブライブ!が好きなんだろうな、という。
2.街自体の魅力を知るきっかけ
好きな作品を通して、自分が行ったことのない場所や見たことのない景色に出会えることって素敵じゃないでしょうか。
高校生の頃を振り返ると、ラブライブ!にハマる前の私は秋葉原なんて行ったことのない地方住みの男の子でした。
当時の秋葉原に対するイメージは「オタクが好きなグッズ買ったりイベント行ったりするところで自分には無縁なところなんやろうやぁ」というザ・世間の目みたいな感じでした。子供の頃は電車男とか見てましたし。(懐かしい)
そんな私がラブライブ!にハマり、初めて秋葉原に行って感じたことは、「聖地自体ももちろん楽しいけど、神田明神とか竹むらとか、ちょっと違う道入っただけで全然元々のイメージと違うやん!」という衝撃でした。
聖地となった舞台自体の良さはもちろん、既存のイメージを壊す、街自体の魅力にも取りつかれたわけです。
そこからは記事冒頭に書いたような各地に訪れたり、現在もお台場で街のあらゆる場所に行ってみたりと、、
ラブライブ!を知らなければ、知ること・感じることのなかった街の魅力に気付けて、本当に良かったなぁとしみじみ思う機会が多かったですね。
そして、実生活で見ると行動力も上がってますよね。
アニメを見る行為それ自体は部屋でじっとしてるだけ、
でもそれをきっかけに、新幹線や宿泊施設を予約してみたり、お店を下調べして美味しいものを食べてみたり、その地で会った誰かと交流してみたり、、
あと、日常生活って、なにかと大変ですよね。(突然)
仕事、プライベート、人間関係、将来への不安…etc
人それぞれ色々ある中、気分転換やリフレッシュが必要な時ってあると思うんです。
振り返ってみると、そういう時にこそ私はよく聖地巡礼をしています。
金銭的には、最低でも交通費さえあれば楽しめて、実際の巡礼って側から見ればただお散歩してるだけなので、身体的にも世間的にも健全な趣味ですよね。
というわけで、ちょっと脱線しかけましたが、街自体の魅力を知るきっかけになるからこそ、楽しい!また行きたい!と思えるんだろうなぁという訳です。
3.アニメの深みが増す
上記二つは聖地で感じる魅力、を書きましたが、今度はアニメとのリンクから感じる魅力についてです。
これは具体例を出した方が伝わりやすそうですね。
直近で言うと、『ラブライブ!スーパースター!!』1話の冒頭で、かのんが登校するまでのシーン。
交差点の雑多な音や大通りを歩く人々の話し声などを尻目に、かのんはヘッドホンを被り何も聞こえない状態にした上で路地裏を一人で急ぎます。
そんな舞台となった原宿の竹下通りの一本裏道に彼女の家(とされているお店)や小径があります。
実際に訪れてみたところ、竹下通りは若者や外国人で賑わい、アニメで見たような騒がしい景色が広がります。
一方、かのんの登校ルートへ足を運ぶと、同じ街とは思えないほど静かで落ち着いた雰囲気。
そんな静かな場所でさえ、かのんは外部の音をシャットアウトしたくなるほど、受験の失敗や人の目が気になっていたのだろう…と思いを馳せてしまいました。
このように、聖地に行ったからこそ感じられるアニメとのリンク、そしてアニメを見返すことで見つかる新たな発見など、聖地巡礼はアニメをより深く楽しむ一つの手段にもなり得る訳です。
また、アニメの深みが増すのは今回の例に限りません。
ラブライブ!シリーズはアニメの背景も現実の世界と丸っ切り同じような景色として映し出すことも特長の一つではないでしょうか。
ここで浮かぶのは「再現度」の面白さです。
以前、生春(@Time_mrsi)さんが企画された「わたしがラブライブ! を追いかける上で 特に大切にしているもの3つ」#みんなで叶える物語 にて私が触れた内容にも重なります。
【タグ企画】
— 生春 (@Time_mrsi) 2021年6月11日
ラブライブ!誕生日の6/30夜に同じテーマで書いたコトバを同時投稿する企画をやりたいと思います!
それぞれ答えが違うからこそ不正解もないし面白いと思うので、興味ある方はよろしくお願いします!
【あなたがラブライブ!を追いかける上で大切にしているものを、3つ教えてください】 pic.twitter.com/aAFJNTLmPE
自分が企画で書いたこと*1 と重なりますが、
何かの正解があり、それを再現するにはこだわりや愛がきっと必要で、ラブライブ!からはその熱意が感じられます。
先日放送された「アニソン!プレミアム!『ラブライブ!SP』」内のAqoursのドキュメンタリー映像からもそれは感じられました。
キャラの動きに合わせキャストがダンスの練習をし、ライブではアニメとのシンクロも並外れたレベルになっていますよね。
同じように、アニメの制作陣は舞台となる地でロケハンを行い、絵に描き、私たちの見ているアニメという形で、現実とリンクさせている訳です。
こういった「再現度」から感じる公式の熱意って本当に魅力的です。
それは聖地巡礼をしたからこそアニメの深みが増したんだろうなぁという訳です。
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以上、私が思う聖地巡礼の魅力を3つのテーマに渡って解説してみました。
突然ですがここでインテリぶったことを紹介してみます。
文化人類学や観光社会学において「観光のまなざし」という考え方があり、関連書籍の一部にはこんな記載があります。
「ある特定の景色へのまなざしは、その個人の体験や思い出によって決まり、その枠組みは規範や様式で決まり、また流布しているあれこれの場所についてのイメージとテクストにもよる。こういう「枠組み」は、決定的な動機、技法、文化的なメガネとなって観光者が、具体的な物や実態的な場所を「面白い、いい感じ、美しい」と見るより先に、先行してそう見えるようにしてしまっている。・・・見方が異なってしまうことで、モノとしての、構築された世界はいかようにも違って見える。」(『観光のまなざし(増補改訂版)』ジョン・アーリ、ヨーナス・ラースン著、加太宏邦訳、法政大学出版局より)*2
要するに、聖地巡礼という視点で捉えてみると
「オタクによっても聖地の見え方は変わる」ってことです。
でもこれって面白くないですか??
「ラブライブ!が好きな人たち」で限定したとしても、「あのシーンの舞台になった場所だ!」となった後にどう感じるかは、その人自身が見たアニメの感想や捉え方、元々の考え方がなどによって丸っ切り変わることもあるっちゅうことです。
それ故、複数人で聖地に行った時に何となく話してみると、共感が生まれたり、お互いに新しい発見があったりして、より楽しさが増すんだろうなぁ、なんて。
本記事を通して、私の「観光のまなざし」はあなたに伝わりましたでしょうか?
もしよければ、あなたの思う聖地巡礼の魅力があれば、是非コメントや記事の引用ツイートなどで教えていただけると嬉しいです😊
また、今回は聖地巡礼全体のお話だったので、今度は街ごと、行った時期ごとなど、より詳しい思い出話みたいな記事も書けたら良いなぁ
ということでここまで読んでいただき誠にありがとうございました!
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*1 該当企画を以下の画像形式で投稿しました。8月に一度アカウントを整理したのでこちらで再掲…。
*2 大学の授業で学んだことをふわっと思い出しただけなので、今回は記事にするために下記ページから勝手ながら引用させていただきました。
大隅一志 (OOSUMI, Kazushi) 観光文化振興部 旅の図書館副館長/主任研究員「観光プランナーに必要な「地域へのまなざし」 [コラムvol.243]」公益財団法人 日本交通公社 HPより